架空請求に騙されかけたけど私は元気です。
四角い枠の中で流れる数々の報道は特に他人事として受け取りやすいものです。
いつか自分の身にもなんて想像はしてみるものの、心のどこかで関係ないことだと思っていることって結構あるように思います。
今回そんな今までは他人事だと思っていた事に遭遇し、自分は本当に弱い人間だと言うことを思い知らされました。
時間は一通のSMSからはじまりました。
コンテンツ利用料の未納が発生しています。本日ご連絡無き場合、法的措置に移行します。窓口03-6385-4851
明らかに詐欺ですが、その時の私は一切疑いませんでした。
というのも、めちゃくちゃだらしのない自分を知っているからです。
「あれ、なんか未払いあったっけな?」
まず、自分を疑うという私の悪い癖が本当に悪い方向に展開してしまいました。
特に私は半年前に引越したこともあり、
請求書がそっちの住所に溜まってた可能性があると考えました。
念のため、電話番号検索してみましたが詐欺っぽいものもヒットせず
易々と電話をかけてしまいました。
電話に出ると30代くらいの男性がでました。
GooglePayの事務局と名乗っていました。
以下会話内容
男「お客様情報をお調べいたしますので、お電話番号、お名前、生年月日をお願いいたします。」
私「090-****-**** 名前○○○○、生年月日1992****です。」←あっさり個人情報抜かれました
男「ありがとうございます。お調べいたしますので少々お待ちください。」←一丁前にちょっと時間置く
「福本様ですね、確認がとれました。今回ミルキーという情報総合サイトの会員料金の未払いの件でご連絡させていただきました。2017年の1月から約1年間の月額料金が未払いとなっております。」
私「え、そんなサイト登録した覚えありません。あれ?なんかしたかな・・・」
男「こちらの方でお客様のサイトへのログを確認いたしましたが、2017年1月の1回のみとなっておりまして、もしかしたら間違えて登録をしている可能性もあるかもしれません。過去にお子様などに勝手にスマホを触らせたりした事などありますでしょうか?」(←子供がいたらもっとあり得るかも・・・と不安になってたかも)
私「いいえ、そんな事はないと思います」
男「そうですか。まぁ1年前の事ですからお心当たりも無いかのしれませんね。特にこちらのミルキー様のサイトは料金の請求がお客様の携帯のお支払いと一緒に引き落とされず、請求書としてお住まいの住所に届く事になっておりますが、会員登録時に請求を紙ベースで届くようにするチェックを付ける必要があるのです。多分そのチェックをしんかったと思うので1年も未納金にお気づきになられなかったのではないかと思います。
実はお客様のように、間違えて会員登録をしてしまう料金未払いのトラブルが増えていまして、そういった消費者を守るWEBコンテンツの法律というものがあります。ログを確認して明らかに意図せず登録したという事が分かり、審査が通れば95%の料金が返済されるようなものとなっております。こちらでその手続きをさせて頂きたいと思うのですが、法律上の関係で今日中にしなければなりません。ミルキー様に対してこちらで料金を肩代わりしておりますので、本日中に料金を振り込んで頂けますでしょうか?」
私「えっと、はい。ちなみに料金はいくらですか?(3万とかそのくらいかな・・・)」
男「32万円になります。」
私「!!!!
え?そんなですか?」
男「はい、1年間の未納金の手数料と、お客様は強制退会させられていますので、その強制退会の手数料も入っております。審査には通ると思いますので95%は一週間以内に返金されます。」
私「えっと、今仕事の休憩中なんでまた夜折り返します。」
男「かしこまりました。今回の事ですが個人情報の観点からも、一切の他言をお断りしております。もちろんご家族の方にもです。これを破って返金の保証が受けられなくなった方もいらっしゃいますので、よろしくお願いいたします。」
私(あれ、これどこかで見た事ある手口!!!)
「はい、わかりました。では失礼いたします。」
こうして電話を切りました。
32万という想像の数十倍の金額を聞き、一瞬パニックになり本当に入金しないとやばい!と思ってしまいました。
実際に自分事だと思うと冷静になれずに、親にばれたらヤバイとかそんな気持ちも働いて入金しそうになります。
しかも95%返金制度があると言い、電話相手はこちらを救済してくれる優しい人に思えてくるのです。
最後の、家族にも言ってはいけないという一言に
やっと違和感を覚えました。
その違和感は確信へと変わりました。
32万という異常な金額も冷静に考えれば明らかにおかしいです。
仮に3万円なら確実に騙されていたかもしれません。
少し時間を置いて冷静になると
明らかな詐欺にまんまと騙された自分に呆れ、
貴重な会社の休み時間が奪われた事実にも腹が立ち、
あの詐欺男に苛立ちが溢れました。
なにより人の悪意と対峙し、悲しくなりました。
多分、こんな事に騙されかける私は
今まで善意にしか触れてこなかったのだと思います。
そういう自分は恵まれていたという話でなんとか気を落ち着けようと思います。
それにしても
さすがにちょっと馬鹿だったなと反省しました。
もう少し、緊張感を持って生きなければならない。
あの詐欺男に教えてもらったという事にします。
ちなみに、あの詐欺男はおそらく既に死んでいます。
あの日から三日三晩、私が莫大な念の力で呪いを送り続けたからです。
ご愁傷様です。(ざまぁ見やがれ)
悪意に触れたけど、こうやって私は元気です。
マイナスの出来事も学べたと思えばプラスに出来る。
善良な心を持った皆様が悪意に負ける事はありません。
一緒に現世を生き抜きましょう。